大学院の紹介

    教員紹介

    葉柳 和則

    多言語国家スイスの文化を探る

    葉柳 和則(はやなぎ・かずのり)
    1963年徳島県生まれ。博士(文学)。専門は20世紀のスイス文化。『経験はいかにして表現へともたらされるのか–––M・フリッシュの「順列の美学」』(鳥影社:2008年)により、第7回日本独文学会賞。2014年4月より長崎大学多文化社会学部。
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    職位 教授
    学位 博士(文学)
    専攻 文化社会学、ナラトロジー
    研究分野 スイス文化研究、都市表象研究
    担当授業科目
    (博士前期課程)
    学問のエレメンツⅡ: 人文科学(表象)、文化表象論特講、文化表象論特定演習、多文化社会学セミナー、研究指導
    担当授業科目
    (博士後期課程)
    多文化社会学特論Ⅰ、研究演習Ⅰ、研究演習Ⅱ、研究指導
    e-mail hayanagi●nagasaki-u.ac.jp

    ※●を@に置き換えて送信してください。

    研究テーマ
    1. 20世紀以降のスイスにおけるメディア・芸術と文化政策の相互作用
    2. スイスの知識人マックス・フリッシュの美学
    3. 東アジアの海港都市、とりわけ長崎をめぐる表象のポリティクス
    研究の内容や方法
    1. アーカイブ調査にもとづく、文化的プロダクトの生成、およびそれらの環境としての文化政策の歴史社会学的研究
    2. 理論的および芸術的テクストの精密な読解にもとづく美学研究
    3. 新聞記事、観光ガイドブック等のメディアテクストの言説分析
    研究成果
    【主たる著書】
    『経験はいかにして表現へともたらされるのか–––M. フリッシュの「順列の美学」』 鳥影社(2008、単著)
    『チューリヒ劇場と文化の政治』 日本独文学会(2016、編著)
    『長崎–––記憶の風景とその表象』(2017、編著)
    【主たる論文】
    「諷刺するエロス–––クルト・トゥホルスキーと添田唖蝉坊」Quelle 84, pp. 31-44.
    「忘却という癒しに抗して–––初期フリッシュと精神的国土防衛–––」Neue Beiträge zur Germanistik, Band. 5, Heft.4, pp. 183-206.
    「「長崎学」における知の編成と「伝統の創出」–––客観的指標に基づく外在的分析の試み」『文化環境研究』 12-2、pp.29-41.(鋤田慶との共著)
    「ヘテロトピアとしての端島/軍艦島–––「負の記憶」をめぐる言説の配置をてがかりに」『21世紀東アジア社会学』,第5号,pp. 91-105.
    「愛国的ジャーナリストから批判的知識人へ–––マックス・フリッシュの従軍日記を手がかりに」『文化環境研究』,第7号,pp. 4-18.
    “Japanese Orientalism and the Representation of Nagasaki. Based on the analysis of guidebooks in the modern era” Cultural Interaction Studies of Sea Port Cities, Vol. 11, pp.7-37.
    【外部資金獲得、受賞等】
    2009年 5月 第6回日本独文学会賞・日本語論文部門受賞,「忘却という癒しに抗して―初期フリッシュと精神的国土防衛―」(『ドイツ文学』132号(B5/H4))
    2009年10月 第7回日本独文学会賞・日本語著書部門受賞,『経験はいかにして表現へともたらされるのか―M・フリッシュの「順列の美学」』 (鳥影社,平成20年)
    2001年 4月 科学研究費・若手研究(B):「出来事の記述における虚構的性格の研究—M・フリッシュの未公刊資料を手がかりにして」(課題番号:13710296)(研究代表者:平成14年度まで)
    2006年 4月 科学研究費・基盤研究(C):「戦後スイスの国民統合と言説の共同体—作家たちの未公刊ドキュメントを手がかりにして」(課題番号:17834192)(研究代表者:2009年3月まで)
    2009年 4月 科学研究費・基盤研究(C):「20世紀スイスの国民統合と知識人の共同体—未公刊資料の文書館調査をてがかりにして」(課題番号:21520334)(研究代表者:2012年3月まで)
    2012年 4月 科学研究費・挑戦的萌芽研究:「メモリー・スタディーズのモデル構築に向けた領域横断的研究—東アジアを事例として」(課題番号:24653120)(研究代表者:2015年3月まで)
    2013年 4月 科学研究費・基盤研究(B):「20世紀スイスの国民統合と文化の政治―チューリヒ劇場をめぐる諸言説を手がかりに」(課題番号:25284063)(研究代表者:2016年3月まで)
    2015年 4月 科学研究費・挑戦的萌芽研究:「第二次大戦期スイスのラジオ戦争―フォン・ザリスのニュース「世界年代記」を事例に」(課題番号:15K12866)(研究代表者:2018年3月まで)
    2016年 4月 ""科学研究費・基盤研究(B):「ナチス時代のスイスと精神的国土防衛―「順応と抵抗」をめぐる文化の政治を軸に」(課題番号:16H03400)(研究代表者:2019年3月まで)
    研究指導が可能なテーマや領域
    都市・国家・地域のイメージをめぐるポリティクスについてのメディア論、ナラトロジー、美学等にもとづく研究

    演劇・映画・小説等の表象芸術についてのテクスト論、生成論、文化政策論的研究

    旅行ガイドブック、パンフレット、観光地図、旅行記等を資料した歴史社会学、文化表象論的研究
    【研究指導(ゼミ)の使用言語】
    日本語・ドイツ語
    過去に指導した修士論文・学部卒業論文等のタイトル
    <修士論文>
    「「ジャーナル共同体」の論文産出と構成員のメディア分析ー環境学を事例に」(2010)
    「別様の物語りをもとめてー長崎における被爆体験の継承活動にみる可能性と課題」(2011)

    <卒業論文>
    「メディアが創り出す『現実』ー少年犯罪をめぐる新聞報道を手がかりにして」(2006)
    「メディアの中の家事ーCMと雑誌広告が作り出す現実イメージを手がかりにして」(2007)
    「虚構とその外部ー事例『木更津』における相互作用を手がかりにして」(2008)
    「『共生システム』の成立と衰退ー長崎市斜面市街地における馬力輸送を手がかりにして」(2009)
    「闘争の場としての端島ー意味をめぐるメディアポリティクスを手がかりにして」(2010)
    「復興のディスクールー島原森岳商店街における災害の記憶」(2010)
    「トポスとしての『遊郭』ー長崎丸山の意味論的変容をてがかりにして」(2010)
    「ツーリズムの論理ー長崎と大分における観光行政と観光情報誌の都市表象を手がかりにして」(2011)
    「江戸期長崎の表象ー二十世紀以降の日本語文学作品を素材として」(2011)
    「長崎観光における異国イメージの形成ー観光ガイドブックのテクスト分析を手がかりに」(2011)
    「音のない音を文字にすることのジレンマーマンガにおける擬態語表現の翻訳分析から」(2011)
    受験希望者へのメッセージ・リクエスト
    表象と現実とのあいだの相互作用を、社会学、メディア論、美学、ナラトロジー等の理論と方法に基づいて研究される方を受け入れます。地域としてはヨーロッパまたは北東アジアを対象にしている方が望ましいです。

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