キャリア・就職
卒業生のキャリア紹介
佐藤 大樹
株式会社長崎新聞社 佐世保支社編集部
―現在の仕事内容を教えてください。
佐世保市に拠点を置く支社で、社会担当記者として主に佐世保市、北松佐々町で発生する事件、事故を取材しています。朝夕に四つの警察署などに管内状況を電話で確認し、事件、事故現場を駆け回っています。毎日社会で起きるニュースを伝える業務と並行し、地域の行事や活躍する人々も記事化しています。
2024年は佐世保市で過去に発生し、社会を震撼させた二つの少年事件の節目の年ということもあり、連載を書いて過去の教訓は生きているのか、検証しました。また、入社してから現在まで特殊詐欺の連載を担当しており、自分の興味関心を文字にして人々に届けられるこの仕事に、日々やりがいを感じています。
―多文化社会学部での学びはどのように生かされていますか?
多文化社会学部は幅広く文系の学問を学ぶため、さまざまな事象を勉強することができます。その経験は、記者として仕事をする中で、「そういえば昔この問題を習ったな」などと自分が興味を持って取材に当たる際の「引き出しの多さ」につながっていると感じます。
また、レポート提出を求められる機会が多かったため、素早く取材して調べ、文字化するという一連の仕事の流れは学部で培った能力がそのまま生かされていると言えます。
―長崎での学生生活は、今の仕事にどのように役立っていますか?
学生時代、特に仲が良かったのは学部で同時期入学した中国人の男性です。留学生とも交流する機会が多く設けられており、異なるバックグラウンドを持つ人々と交流した4年間は、自分の物の見方を広げてくれました。
取材活動をする中で自分と大きく考え方などが異なる人と出会った際、「この考えの素地にはどういう人生経験が潜んでいるのか」と疑問が湧いて相手を理解しようとする姿勢に良い影響を与えていると思います。
受験生・在学生へのメッセージをお願いします。
中高生、社会人と異なり、大学生の頃は自由に自分のためだけに使える時間が多かったと振り返ります。世の中の動向によって刻々と変わる社会だからこそ、「自分はこれが好きなんだ!」「これに興味があって深めたいんだ!」という思いに軸を置き、とことん探求し尽くしてください。
日和見主義の人間よりも、私はきっとそういう自分に正直な人の方が変化の激しい社会の中で自分の人生を楽しめると思います。