キャリア・就職
卒業生のキャリア紹介

湯河 英里子
Curtin University Master of Sexology (Professional), Australia
―現在学んでいる内容を教えてください。

私は、人間の「性」を心理学・生物学・社会学の観点から多角的に分析し、各分野における専門性を深めることを研究目的としています。「性」「セクシュアリティ」は、一般的には性行動と同一視されがちですが、実際には人間の自己認識やアイデンティティの根幹に深く関わる重要な要素です。
私の所属する学科では、多様な人間関係、トラウマ、自己意識、そして無意識の偏見などが我々の「性」にどのような影響を与えるのかを探っています。また、研究対象は生殖機能に限らず、感染症、性機能障害、ジェンダーの多様性、性に関する歴史、文化、教育、制度の分析も行っています。生きていればほとんどの人が関わる「性」が、なぜ世界中でタブー視されるのか。現代社会において人として健やかに生きるために何が必要なのか。これらの問いが私たちの研究の大きな柱です。
―多文化社会学部での学びはどのように生かされていますか?
多文化社会学部での4年間を通じて、私は批判的思考力や多角的な視点から物事を捉える力を養うことができました。また、スコットランドでの1年間の交換留学は、異なる文化背景を持つ人々との交流を通じて、世界観や人生経験の多様性にも目を向ける貴重な機会となりました。当時の経験は、今でも私の価値観の礎となっています。
さらに現在は、オーストラリア・パースで当時の友人と再会を果たすことができ、縁のつながりの深さを実感しています。
―長崎での学生生活は、今の学びにどのように役立っていますか?
長崎大学在学当時は、アルティメットフリスビー部に所属していました。このスポーツは現在パースでもプレーを続けています。私にとってアルティメットは、新たな人間関係を築くきっかけであると同時に、大学院での学業によるストレスを適度に発散する手段でもあります。これまでに全豪レベルの大会にも出場しており、今後は世界大会への出場を目指して取り組んでいます。
新入生・在学生へのメッセージをお願いします。

ぜひ大学生の間は「何になりたいか」ではなく「何をしたいか」に重きを置いて、将来を考えてみてほしいです。
自分の人生は一回きりです。世間の「常識」にとらわれず、自身のやりたいことを追求し、自分のペースで未来を築いていってください!