学部紹介

    教員紹介

    田村 康貴

    常識のほんの少し手前から人間の生について考える

    田村 康貴 (たむら・こうき)
    岩手県出身。東北大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。専門は近現代フランスの倫理学。日本学術振興会特別研究員(DC2)、トゥールーズ大学ジャン・ジョレス校外国語学部日本語学科外国人講師、仙台白百合女子大学ほか非常勤講師を経て、2021年12月より長崎大学多文化社会学部。

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    Q.ご自身の研究を紹介してください。
    歴史と文化の渦に呑まれ、ふとしたはずみで現実に触れる
    人間の生やその価値をめぐるさまざまな問いについて考える倫理学という分野のなかでも、近現代フランスという、とりわけ雑然とした雰囲気が漂う領域の研究をしています。これまでは哲学者ベルクソンと社会学者デュルケームを基軸に、理性と感情、個人と社会、道徳と宗教の関係などを分析してきましたが、最近では、フランス国内の道徳教育の主導権をめぐる内紛や、英独倫理学との対峙や宥和など、より大きな流れのなかでフランス倫理学の独自性や現代的意義を考察しています。……とまあ、ゴチャゴチャ言っていますが、じつのところ、19世紀から20世紀前半にかけてフランスだけでなく世界各地で渦巻いていたらしい思想や文化の〝におい〟を嗅いで、思わずウットリしたり吐き気をもよおしたりする体験を他人に話して聞かせるのが好きなだけなのかもしれません。

    【PHOTO】パリ16区ボーセジュール通り沿いのアパルトマン。木の陰に隠れていますが、入口右上にはベルクソンの終の棲家であることを示すプレートが掛けられています。

    Q.どのような授業になりますか。
    専門科目「倫理学」
    「何が善いことで、何が悪いことなのか」、「何を基準にして善悪や正不正を判断するのか」、「なぜ善いことをすべきで、悪いことをしてはいけない(と感じたり考えたりする)のか」、「幸福とは何か」、「生きることに意味はあるのか(と問うことに意味はあるのか(などと考えているときこそ生き生きとしているとしたら、それはどういうことか))」――といったような問いに、できるかぎり明確に答えようとするのが倫理学です。この授業では、倫理学の主要な問題と回答を、当の問題が生じた歴史的背景を踏まえながら検討していきます。さらに授業の後半では、それらの知識を足がかりにして、現代社会が抱える諸問題について考察していく予定です。
    Q.メッセージをお願いします。
    大学というのは面白いところで、いろんな人たちが、いろんなリズムで生きています。そんな人たちに囲まれながら、自分好みのリズムに乗るのもいいでしょうし、得意なリズムを刻むのもいいでしょう。ときには、あえて苦手なリズムにチャレンジしてみる(で、ああやっぱり合わんなと再確認したり、あら意外とイケますねと認識を改めたりする)のもいいかもしれません。長崎大学での知的活動をとおして、皆さん一人ひとりが自分らしい自分だけのリズムを見つけられるよう、絶妙なタイミングで合いの手を入れられたらいいなと思っています。

    【PHOTO】疲れたときはやはり海。南仏セートの地中海。蒼天、碧海、魚介類。鼻腔をぬける空気まで、なんだか美味しく感じられ、あれやこれやの悩みなど、どうでもよくなるものなのです。

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