学部紹介

    教員紹介

    木村 直樹

    長崎で世界と日本の歴史的つながりを探求する

    木村 直樹(きむら・なおき)
    東京大学大学院人文社会系研究科博士課程中退、日本近世史、博士(文学)、2000年度より2012年度の間、東京大学史料編纂所附属画像解析史料センターで歴史情報処理を担当した後、同所近世史料部門で『大日本近世史料 細川家史料』という歴史史料集の編纂に従事。
    2014年4月より長崎大学多文化社会学部。

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    Q.ご自身の研究を紹介してください。
    江戸時代の対外関係史と国家像の原点
    江戸時代の政治・外交史(対外関係史)を研究しています。私が高校生の頃、世界では社会主義諸国が急速に解体しました。それを目にして、国家とはどのような歴史的経緯から成り立っているのか興味を持つようになり、大学入学後私たちの生きる現代社会の少し前の江戸時代に国家像の原点を求めて研究を始めました。
    江戸時代は、現代の日本社会につながる側面と異なる側面両方をもった興味深い社会です。日本と異国や国家の枠組みのない異域との関係を、長崎を起点に研究しています。また最近は、現在の長崎県下で起きた島原の乱や、九州発の江戸時代屈指の飢饉であるにもかかわらず実態がわかっていない寛永飢饉についても研究を行っています。
    Q.どのような授業になりますか。
    専門科目「地域史料論」
    日本とオランダの関係は、1600年にオランダ船リーフデ号が豊後(大分県)へ漂着した時から、1951年のサンフランシスコ講和条約調印にいたるまでに、さまざまな出来事がありました。同時に、江戸時代の日本とオランダとの関係は、この長崎では、港湾都市長崎での唐人との関係や、対馬における李氏朝鮮との関係とも連動していました。多様な海外との関わりは、長崎という土地に今なお残る独特の文化を根付かせる要因となりました。この講義では、日蘭関係で重要な転機となった出来事について、実際にその出来事にかかわる史料を読解しながら解説していきたいと思います。同時に、長崎の独自の社会や文化についても考えます。内側の地域的歴史の展開と、西欧文化の受容が日本の近代化につながるような外からの刺激についても目を向け、両方から長崎の地域の特性を考えます。また反対に長崎を通して、世界に流布する日本のイメージが江戸時代にどのように広まっていったのかも考えてみたいと思います。歴史学にとって複合的な視点をもちながら地域を考える講義です。

    【PHOTO】古文書撮影調査風景(高知にて)

    Q.メッセージをお願いします。
    歴史学とは、過去の事実を史料に基づいて確定し、その上で、その事実がどのような意味があるのかを考える学問です。長崎という土地は、日本史上、常に日本のゲートウェイでした。古代の対馬を経由した中国・朝鮮との関係、中世の遣明船や朝鮮への使節・倭寇、近世の長崎でのオランダや唐人との関係や対馬での朝鮮の関係、近代の大陸への出発点、さらには各時代にその影響を受けた長崎や九州の風土と、歴史研究の素材に満ち溢れ、学問をする上でとても魅力的な土地です。ぜひ日本の歴史と世界とのつがなりを、この長崎で一緒に学びましょう。

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