ごあいさつ

    学部長メッセージ 多文化社会学部長 葉柳 和則


    学部長メッセージ

    自明性の外部へ

    初めての街に足を踏み入れるときの胸の高鳴り。目にする通りや、耳にする声は、異質で、不安をかきたてるものでありながら、他方でどこか懐かしいものであったり、心地よいものでもあったりします。旅をするとき、私たちは新しい出来事を経験しながら、同時に自分という存在の芯を再確認しているのです。

    大学での学びが「知の旅」にたとえられるのは、単に未知の学問領域を探索するにとどまらず、それを通して自分という存在、あるいは自分と世界との関係についての認識を新たにするという側面があるからです。これは、とりわけ文系の学びにおいて大切です。みなさんはこれから、人間と人間が出会い、相互の関係性のなかで作り上げていくもの、すなわち社会とその文化について学んでいくわけですが、自分という主体をそこから切り離すことはできません。むしろ、「そういう自分はどうなんだ」、「自分だったらどうするだろう」という問いを常に立てることが、人間や社会について学びを確かなものにしていきます。

    長崎大学多文化社会学部は、グローバル化する現代世界の中で、他者と協働し、リーダーやパートナーシップを発揮するための学びの場として2014年に開設されました。グローバリゼーションは、文字通り地上のあらゆる場所で、人間、商品、通貨、そして情報が一元的に移動・流通することを指向し、ローカルなもの、ニッチなものが持つ多様性とのあいだに緊張と融合を生み出しています。このような状況のなかで、私たちは文化的背景を異にする人びとと、互いの強みを重ね合わせ、弱みを支え合いながら、生活を共にし、仕事を成し遂げていくことになります。多文化社会学部のカリキュラムが提供する「知の旅」は、このようなグローバル化時代を生きるための思考、知識、技法を身につける旅なのです。教室での勉学はもちろんのこと、学生寮での「共生」、英語カフェ、フィールドワーク、留学といった学生生活の様々な場面で、他者と出会い、ひるがえって自分を知るための学びが用意されています。

    この「旅」は単なるパッケージツアーではありません。学年が進むにつれて、自分で「地図」を作り、自分で旅程を組み立てる場面が増えていきます。教員は「旅」の先達として助言を提供しますが、「旅」の主役はみなさん学生たちです。「旅」において大切なことは、途次において、人間や社会についての常識や思い込み、すなわち「あたりまえ」だと皆が信じていること、自分自身もまた自明だと思っていることを、新たな視点から見つめ直すという経験です。自明性の外部へと足を踏み入れたとき、世界と人間は別様の可能性を内包したものとしてみなさんの前に立ち現れてくることでしょう。つまるところ、これを経験することが多文化社会学部の学びの目的なのです。Bon voyage!

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