学部からのお知らせ
留学体験記シリーズ(2)を掲載しました。
2018/01/25 中期・長期留学
留学体験記シリーズ(2)
オーストラリアでの留学生活
長崎大学多文化社会学部
グローバル社会コース三年
王子田綾佳
私は三年次前期から約八か月間、オーストラリアのディーキン大学に留学をしました。この大学はメルボルン中心部から一時間ほど離れた自然豊かな場所にあります。ここでは学業、暮らしの大きく二つに分けて私の留学生活を紹介したいと思います。
学業面
私はこの大学でジェンダーや社会学、オーストラリアの歴史や中国語など様々な分野の勉強をしました。授業は現地学生と一緒に受けるということで、もちろん先生の英語は非常に早く、ほとんど聞き取れずにスライドのメモをしているだけの時期も長くありました。毎回の授業前にweekly readingをしていかなければならなかったり、1500-2000字ほどのレポートやエッセイの提出があったりと、留学生にとっては大変なことも多々ありました。
ディーキン大学では、一つの授業(ユニット)あたりにlecture とseminar と呼ばれるものがあり、lectureは大講義室で多くの学生と一緒に講義を聞き、seminarでは小さなグループで学んだことを深めたり、ディスカッションをする場です。講義を完璧に理解し、ディスカッションに参加することは難しいものでしたが、レベルの高い現地の授業を現地の学生と一緒に受けられたことは非常に貴重な体験だったと感じています。
生活面
留学中、私は大学の寮に住んでいました。最初の四か月は9人のフラットメイトと一緒に暮らしました。彼らはオーストラリア人、アメリカ人、イギリス人と私以外の全員が英語のネイティブスピーカーという環境でした。最初は英語で自分の思いも十分に伝えられないのに、彼らの輪に入るのがすごく苦痛でストレスに感じ引きこもってしまうこともありました。しかし今思えばその経験が私を成長させてくれました。自分の置かれている状況も整理して客観的に考えてみるとそれほど深刻ではないもので、どんな状況でも意外にすぐそこに解決へのアプローチは落ちているのだと気づいたし、留学で物事を前向きに考え、ストレスとうまく付き合える力がつきました。そのような経験を経て、最終的には多くの友達が出来ました。世界中の友達と多くの時間を共有して、異なる考え方や価値観、文化を知れたのは本当に面白く、いろいろなバックグラウンドをもった人々との出会いは私の人生においてとても刺激的なもので、確実に心を豊かにしてくれるものでした。
オーストラリアのメルボルンは、非常に多国籍な街です。多くの中国人がいますし、中東やアフリカからの多くの移民が共存する都市でもあります。そのせいか人種差別や不利益を受けることはほぼなく、日本人にとっても非常に生きやすい街だという印象でした。メルボルンは美食の町、アートの町ともいわれる通り、ところどころにおしゃれなカフェがあり、本格的な多国籍料理を楽しめるレストランがあります。またウォールアートがあふれていていたり現代的なアートな建造物があったりと、芸術好きにとってはたまらない街だと思います。
留学を終えてみて、中長期留学は短期留学とは違って毎日がキラキラするものではなく、大変なこともストレスを感じることも多々あるものです。しかしだからこそリアルな留学が経験できますし、得るものも感じるものも殊更大きいです。ぜひ留学を通して成長したいと考える方は中長期留学に挑戦してほしいと思います。
多文化社会学部生が「日本語パートナーズ」としてベトナムへ。
2017/12/20 学生の活動
「日本語パートナーズ」派遣事業(国際交流基金主催)は、アジアの中学・高校などの教育機関で、授業アシスタントや日本文化の紹介を行うために、現地の日本語教師や生徒の「パートナー」として人材を派遣する事業です。2017年9月、この「日本語パートナーズ」の短期派遣プログラムでベトナムに派遣された多文化社会学部の2年生6名が、日本語教育のアシスタントをしながら、現地の若者や子どもたちと交流を深めてきました。
以下、参加したメンバーによる報告と感想です。
<参加メンバーの報告>
「ベトナムへの第1期短期派遣の成功を受けて、今年の9月、私たち長崎大学多文化社会学部の2年生6人が、ベトナム中部のフエ・ダナンに派遣されました。現地で日本語を学んでいる生徒を対象に、中学5校、高校6校の計11校を、2週間にわたって訪問し、主に長崎の「和華蘭(わからん)文化」について行われた授業のアシスタントをつとめました。授業では子どもたちにできるだけ楽しく受けてもらえるように、クイズやフリートークなどを織り交ぜながら、それぞれの充実した90分を各学校で過ごさせてもらいました。
2週間のうちには、各学校の授業の他にも、自由時間内での観光であったり、現地の長期パートナーズや、授業進行を助けてくださった外国語大学の生徒さんたち、国際交流基金の職員である方々との出会いなどが、私たちの派遣研修をより実のあるものにさせてくれました。」
<参加メンバーの感想>
(森 まどか)
派遣される前は、「日本や長崎のことを伝えないと!」と意気込んでいましたが、実際は、この活動を通して私の方が沢山のことを「学ばせてもらった」と感じます。今まで興味があった教育の分野はもちろん、アジアの魅力に魅せられ、自分の将来の新たな目標へと繋がりました。計画や準備は大変でしたが、メンバーと協力し合い成功させることが出来て、このチームで本当に良かったと思います。
(堀川みき)
今回の短期ベトナム派遣において最も印象的だったことは、ベトナム学生のダンスサークルにまじってダンスセッションをしたことです。ダンスという共通のものを通して、ノンバーバルで学生たちと同じ空間を楽しむことができ、非常に素敵な思い出となりました。ベトナム滞在期間中に多くの学校を訪問し、たくさんの学生に出会い、様々な場所を訪れることでベトナムをより深く知ることができました。この日本語パートナーズ派遣では、私たちが授業でベトナムの学生に日本・長崎の文化を教えるだけでなく、授業以外の場面でベトナムの文化を吸収することができとても貴重な経験となりました。
(小川淑子)
今回、日本語パートナーズに参加させていただいて、大変貴重な体験をすることができました。この活動の中で最も印象に残っていることは、ベトナムの生徒がとても元気がよく、積極的に授業に参加してくれたことです。こちらが質問をすると、みんな勢いよく手を挙げて答えてくれます。このような生徒たちを見ていると、こちら側も元気が出て、より良い授業をしようという気持ちになりました。普段の大学生活では経験できないことをできて、これからの大学生活をより有意義なものにしようという思いが強くなりました。
(青野舞)
日本語パートナーズのベトナムでの活動を通して、1番印象的だったのは、「伝統と発展の2つを持っているベトナム」です。私たちは今回の活動で、古都で古き良き伝統が残るフエと観光地として有名で多くのビルが建設されているダナンの2つの異なる特徴を持つ地を訪れました。その中で、伝統が残るベトナムと経済の発展が進むベトナムを見て、これからこの2つがどうなっていくのか、日本のように伝統が薄れていくのか、それとも、よいバランスを保っていくのか、「今後のベトナム」に興味を持つことができました。
(福永楓)
私にとってベトナムは、初めて来たアジア大陸の国で、来る前の予想通り外は暑く、室内も暑かった印象でした。食べ物は250円くらいでごちそうを食べることが出来て、毎日幸せでした。日本では食べないようなものも食べられて良かったです。印象的だったのが、現地の子どもたちはとても素直で、少しシャイではありましたが、意欲的に私たちが準備した授業を受けてくれて、最終的な活動の成功を感じることが出来ました。
(山下茉莉花)
初めてのベトナムは、毎日が新鮮でいっぱいで、2週間があっという間に感じました。現地の子どもたちはとてもピュアで、私たちの国や、住んでいる地域の文化や生活に素直な興味を示してくれて、非常にやりがいを感じることが出来ました。この派遣を通じて、授業として子どもたちに教えていた立場の私たち自身も、何か大事なことをそれぞれ学び取ることができたのでは、と振り返ってしみじみと感じています。
多文化社会学部生がベトナムの「長崎くんち 御朱印船」公演に参加しました。
2017/12/20 学生の活動
2017年11月、多文化社会学部生が中心となって活動している国際交流サークル「ふくろう」は、長崎県派遣団の一員として、「御朱印船プロジェクト」に参加しました。日本とベトナムとの交流促進などを目的として、ホイアン市に御朱印船の模型を贈呈するとともに、現地で「長崎くんち 御朱印船」の公演を行うプロジェクトです。世界遺産の街としても知られるホイアンは、江戸時代初期には、日本人町が存在し、長崎とも歴史的なつながりの深い街です。今回のプロジェクトで新たなつながりがまた始まりました。
以下は、プロジェクトに参加した「ふくろう」のメンバーの報告コメントです。
「私たちは、長崎とベトナムの交流の象徴である御朱印船のレプリカを、ホイアン市へ贈呈する「御朱印船プロジェクト」に参加しました。11月10日と11日に寄贈式典が開催され、大いに賑わいました。約二百人が出席した10日の式典では、長崎市本石灰町自治会の方々とともに船回しを披露し、女子メンバーは船の上で楽器演奏を行いました。11日には、APECで来越中の安倍首相とベトナムのフック首相も公演をご覧になりました。長年、長崎くんちに携わってこられた本石灰町の皆さんとともに素晴らしい体験をすることができました。
また、「御朱印船プロジェクト」と並行して、ダナン市でベトナムの学生との交流も行いました。ベトナムの学生たちは丁寧に名所を案内してくれて、最後にはおいしいベトナム料理をご馳走してくれました。長崎とベトナムの絆をより一層深めるべく、今後も彼らとの繋がりを大切にしていきます。」
プロジェクト参加者:大石直子・奥村琴子・小川淑子・梶原拓樹・川床愛・堀川みき・眞木直樹(長崎大学多文化社会学部生)
猛暑の中、五島列島の窯跡の調査を行いました。
2017/10/24 学生の活動
多文化社会学部の野上ゼミでは、五島列島・福江島の窯跡調査を継続的に行っています。五島の窯跡はこれまで考古学的な調査が全く行われていませんでしたが、昨年、初めて田ノ江窯跡(五島市富江町)の測量調査を行いました。
そして、今年も8月21日〜24日にかけて、猛暑の中、五島に出かけました。今年は多文化社会学部の6名の学生たちが、日韓の考古学研究者とともに、八本木窯跡の平板測量とレベル測量を行いました。携帯電話の電波も届かない山の中に分け入り、さながら探検隊のようでした。
なお、昨年の報告は、『金沢大学考古学紀要』38号に掲載しています。
参加者:新垣咲希・川畑容・山口友香・前川智英・長岡南実・弓場春佳(長崎大学多文化社会学部学生)、韓盛旭(民族文化遺産研究院)、中野雄二(波佐見町教委)、溝上隼弘(佐世保市教委)、野上建紀(長崎大学多文化社会学部)
協力:五島市教育委員会富江支所、五島市富江町繁敷のみなさん
多文化社会学部生が海の漁場保護のために海に潜ってきました。
2017/10/04 学生の活動
多文化社会学部3年の新垣咲希さん、榎園美香子さん、川床愛さん、大石直子さん、羽田真紀代さんが海の漁場の保全のためにウニ類の駆除を行いました。彼女達は長崎大学全学スキューバダイビングサークルに所属しており、今回はそのダイビング技術を生かして、長崎市外海地区の海に潜りました。
長崎市外海地区は豊かな漁場でしたが、近年、ウニなどが海藻を食べ尽くす「磯焼け」が進み、深刻な問題となっていました。そこで藻場保全活動を支援している団体から依頼を受けた新垣さんらは2017年6月17日に、水深4〜5mほどの海底に潜り、ハンマーなどの道具を片手に約1600匹のウニの駆除を行いました。この活動は、地元の方にも喜ばれ、朝日新聞や長崎新聞でも報道されました。
朝日新聞デジタル(動画もあります。)
http://www.asahi.com/articles/ASK6K55DDK6KTQIP00G.html
(新垣咲希さんのコメント)
潜る前の説明で、昔の豊かな外海地区の海の写真を見たのですが、実際に潜ってみると、本当に同じ場所だとは思えないぐらい、違う光景が広がっていました。海藻が少なく、ガンガゼやムラサキウニが広範囲に広がっていて、磯焼けの想像以上の深刻さを実感しました。私たちは今まで楽しみのために潜ってきましたが、楽しむだけではなく自分たちの特技をいかして自然保護活動に貢献できることが嬉しかったし、これからも継続してこの活動に参加していきたいと思いました。
留学体験記シリーズの掲載をはじめました。
2017/08/04 学生の活動
留学体験記シリーズ(1)
アメリカ留学生活とDean’s listの受賞
長崎大学多文化社会学部
社会動態コース 4年
櫛野弘奈
私は、アメリカのフロストバーグ州立大学に4年の前期から中期留学をしました。大学は小規模で少し田舎に位置していますが、先生方や国際交流センターの方も非常に親身で、とても恵まれた良い環境です。授業は英語2クラス、世界史、International Studiesの4科目12単位を履修しました。
英語はFreshman Compositionという一年生向けのエッセイのクラスを受講しました。最初はエッセイの構成などを四苦八苦しながら書いていたのですが、ずっと書いているとそのうち整理がつくようになり、書くスピードもあがりました。そこで習ったエッセイの書き方は全ての授業の課題で役立ち、本当に受けていて良かったと思います。もう一つの英語のクラスは留学生のみで、主にジャーナリズムについて学びました。ちょうどトランプ大統領が就任した時期と重なったこともあり、ホットな話題も多く、アメリカの時事について議論をしました。
International Studiesでは、政治・経済・歴史・地学・人類学の5つの視点から世界の物事を学びました。この授業では、多文化の3年間で学んできた事が存分に生かされ、より深く知識が身についたと思います。
大きな失敗もしました。世界史の中間テストで形式を勘違いしていて、問題を半分すべて解かないまま提出してしまい、関係各所に呼び出されたことは記憶に新しいです(笑)。そのため期末テストを必死で頑張りました。アメリカの大学は、少し失敗してもextra creditsという形で救済措置がある点が良いです。
結果的にDean’s listという学部長リストに入ることができたので、頑張った結果が形となり、とても嬉しいです。寮生活も楽しく、春季休暇や週末にはカルフォルニアやNYCに行くこともでき、素晴らしい半年間でした。4年の前期という就活との兼ね合いに悩みましたが、留学して良かったと思います。様々な人々と出会えたこの経験は、私がこれから社会に出た際に、仕事や新たな事に踏み出す原動力となりうると思います。
「夢への架橋」チャレンジ・プロジェクトで再びザンジバルへ
2017/07/18 学生の活動
多文化社会学部のカリキュラムの目玉の一つが、海外フィールドワーク実習です。昨年度(2016年度)は8月27日〜9月21日の日程で学生9名、教員・スタッフ5名の計14名でアフリカのタンザニアのザンジバル島へ出かけています。そのメンバーの一人である高田真也さん(多文化社会学部4年)は、地元の伝統アートである「ティンガティンガ」を研究テーマに選びました。
「ティンガティンガ」とは、タンザニア発祥のアフリカの絵画アートで、高田さんは現地の画家に13日間にわたって弟子入りし、「ティンガティンガ」を学びました。そして、帰国後も制作活動を続けて、この春、長崎大学の平成29年度『「夢への架橋」チャレンジ・プロジェクト』に、「長崎×タンザニア〜現地アートを介して知る・伝えるアフリカの魅力〜」の企画で応募し、見事採択されました。このプロジェクトは学生の叶えたい夢や実現したい企画の実現を支援するものです。高田さんはこの採択を受けて、夢を実現するために今夏の8月から再びザンジバルに向います。
高田真也さんの抱負
昨年度ザンジバル島でのフィールドワークで得た多くの学びや発見を、もっと多くの人に伝えたい・知ってほしい。その想いを胸に、アフリカの文化や暮らし、特に「ティンガティンガ」を代表とする芸術文化を長崎県下で発信する企画を立案しました。多文化社会学部で学んだ多くのことをアフリカの“現場”で最大限発揮し、日本とアフリカの架け橋になるべく邁進してまいります。