学部からのお知らせ
第3回キャリア支援講座:グローバル時代の産業政策・知財政策と私のキャリア
2014/12/11 トピックス
羽藤秀雄氏(特許庁前長官、平成26年現顧問)は12月11日、「グローバル時代の産業政策・知財政策と私のキャリア」をテーマに、多文化社会学部のキャリア支援講座でご講演されました。
羽藤氏は1981年に通商産業省(現・経済産業省)入省。1980年代に全世界で人口に膾炙した『通産省と日本の奇跡』(MITI and the Japanese Miracle: the Growth of Industrial Policy, 1925-1975, (Stanford University Press, 1982. 邦訳:矢野俊比古)や、城山三郎『官僚たちの夏』の中で描かれていた「日本株式会社」の司令塔としての通産省の歩みについて、データを用いながら歴史的に解説していただきました。その上で、急激な変化と遂げてきた日本経済と産業・通商政策の今日の課題に言及し、将来、経済社会の一員となる多文化社会学部生に、(1)好奇心・視野の広さ、(2)向上心、(3)柔軟性、(4)志、という4つの期待を述べて講演を締めくくりました。
第2回キャリア支援講座:自分のやりたいことを仕事にする~NPOと青年海外協力隊の仕事について知ろう~
2014/12/04 トピックス
12月4日、特定非営利活動法人(NPO法人)「ハロハロ」代表の成瀬悠さんと、JICAデスク長崎・国際協力推進員の木村暁代さんをお招きし、第2回キャリア支援講座を開催しました。
成瀬さんは、「援助ではなく、働く機会を」をモットーに、フィリピンの住民組織と協力しながら、現地の人々の教育や自立を支援する活動を行っています。活動の資金限は、生産者に適正な賃金を支払う「フェア・トレード(公正なお買い物)」という方法で販売する雑貨。ハロハロは、協働団体の人々が廃材から雑貨を作り、自分たちの手で得たお金を自分たちの地域の発展のために使うことができるよう、フェア・トレードをとおしてサポートしています。この日の「誰もが魅力的に働き生きる社会へ」というタイトルのご講演では、大学卒業後に就職した会社でお金のために働く毎日に疑問を感じていたこと、「社会企業家」という言葉との出会い、フィリピンでのワークキャンプへの参加などを経て「ハロハロ」を立ち上げた経緯も、お話いただきました。現地の人々のためになる支援とは何かをいつも考えているというお話が印象的でした。
JICAデスク長崎の木村さんは、「国際協力って何だろう~青年海外協力隊の経験から」と題したご講演で、青年海外協力隊に参加し、フィリピンで青少年活動として大学で日本語教育、異文化理解、環境教育や平和教育に携わった経験を話されました。また、フィリピンでの活動中に悩んだ経験から「国際協力って何だろう?」と考えるようになったこと、その答えは自分で出かけて、見て、触れて、感じてこそ得られるものだと思うというお話には、共感する学生が多かったようです。木村さんは、現在、「国際協力」と「長崎」をつなぐためのお仕事をされており、国際協力に興味のある学生には、地元で相談できる頼もしいリソース・パーソンとの出会いにもなりました。さらに、JICA(国際協力機構)の仕事に関する質問も出て、国際協力に関する学生の関心の高さがうかがえました。
講師のお二人は学生とも比較的年齢が近く、それぞれ日本で会社に就職したあと、NPO法人の創設や海外でのボランティア活動に転身されたという経験をお持ちです。学生からは、就職や将来の働き方について、新しい視点が学べて非常に参考になったという感想が多く寄せられました。
第1回支援キャリア講座:グローバル社会の中央銀行と私のプロフェッショナル・ライフ(日本銀行前総裁・白川方明氏)
2014/11/06 トピックス
日本銀行前総裁の白川方明氏(現・青山学院大学特任教授)は10月30日、グローバル社会の中央銀行の役割を通じた日銀マンとしての経験について、多文化社会学部の講義でご講演されました。
白川氏は、学生のキャリア意識の醸成を目的とする「キャリア支援講座」に講師としてご出席し、「グローバル社会の中央銀行と私のプロフェッショナル・ライフ」のテーマで、1972年の日銀入行以来の39年に及ぶキャリアと、各国中央銀行間の国際協力体制について約一時間、お話されました。世界経済の動向や学生時代の生活などの学生からの質疑にも平易かつ丁寧にお答えいただきました。
講演の中では、金融のグローバル化が進む中で遭遇した2008年リーマンショックで発動した金融危機対応策についてご説明され、世界中央銀行が存在しない国際金融の世界では、中央銀行間の信頼に基づく国際協調がグローバル経済の安定に貢献する点を強調しました。
講演の最後に、多文化社会学部の学生に「仕事をする」上での重要なポイントとして、次の7点に言及されました。
1) 問題を発見し、設定することが極めて重要
2) 知的謙虚さが極めて重要
3) 人との交流の重要性
4) 誰かが行動しない限り、物事は実現しない
5) 誠実な仕事を通じて信頼を得ることの重要性
6) 一人の力は限られている。チームの重要性
7) グローバルな情報発信の重要性
韓信大学学生が多文化社会学部を訪問しました~軍艦島スタディツアーで日韓学生交流~
2014/10/22 トピックス
多文化社会学部の教員が主要メンバーを務める長崎大学重点研究課題「東アジア共生プロジェクト」は、10月17、18日の二日間、韓国・韓信(ハンシン)大学・平和と公共センターとの合同企画として日韓学生交流イベントを実施しました。
韓信大学は「韓信青年、アジアを歩く」と銘打って、2010年度からアジア各地の現場で学生同士の交流と相互理解を目的に、スタディツアーを実施しています。今回で3年連続となる長崎ツアーでは、韓信大学からはイ・キホウ教授、学生10人、スタッフを含む合計13人が参加しました。
韓信大学の学生と多文化社会学部の学生合わせて27人は、講義「産業遺産の再発見をめぐる表象の政治―端島/軍艦島に関する新聞記事を手がかりに」(講師・葉柳和則教授)を一緒に聴講し、続く英語での討論でも活発に意見交換を行いました。
軍艦島上陸ツアーを含めて短期間のイベントでしたが、日韓双方の学生ともに十分に交流を深めることができました。韓信大学は「長崎大学と新しい教育ネットワークの構築」(イ・キホウ教授)を強く希望しており、来年度以降もこのイベントは継続の予定です。
英語カフェ:カフェラインナップ(平成26年度後期)
2014/10/14 トピックス
多文化社会学部では、実践的かつ生きた英語力を培うべく、毎日「英語カフェ」を開催しています。英語カフェのプログラムは定期的に変更されますが、自分の興味・関心に沿って選択でき、参加回数に上限もないため、毎日参加することも可能です。
語学力の向上は、日々のたゆみない実践と努力の積み重ねがあってこそのものです。楽しみながら発信力を鍛え、真の英語力を身につけましょう!
カフェラインナップ(平成26年度後期)
(1)月曜4限・木曜4限は、ある大きなテーマの下、みなさんに議論を積極的に展開していただくスタイルとします。具体的なトピックは、各回のはじめに提示します。テーマは、「日本」「社会」「文化」の3つです。同じ週であれば月・木とも内容は同じです。
(2)初習外国語の授業のある火曜3・4限及び水曜3・4限の「ミニカフェ」は、敢えてあらかじめ特定のテーマは設けていません。その場でみなさんから出たトピックについて自由闊達に議論していただくスタイルとします。
(3)月曜~木曜の5限には「アカデミックカフェ」として、本学部の授業を担当する教員が主催し、今後の学びに向けて、英語でウォーミングアップを行います。
現在実施中(実施予定含む)のアカデミックカフェ
・授業「アフリカ理解への扉」に関する英語による補講を実施する(月1回)。
・経済学基礎を学ぶために、Gregory N. Mankiw “principles of economics”を購読し、内容を理解を深めるためのディスカッションを行う(週1回)。
・日本の海洋政策について、文献講読とディスカッションを交えながら理解を深める(週1回)
・人権とジェンダーに関する海外NGOの出版物を教材として、内容の把握とそれに基づくディスカッションを行う(12月実施)。
連続講演会「多文化状況を前景化する:長崎からの発信」
2014/10/02 トピックス
多文化社会学部では「多文化状況を前景化する:長崎からの発信」のテーマで連続講演会を開催いたします。
■第一回
10/23(木)16:00-18:00
講演者:渡邊欣雄(國學院大學文学部教授)
演題:海外の多文化状況から日本を考える~カメルーン、中国、ブラジル、沖縄の調査経験から~
■第二回
11/6(木)16:00-18:00
講演者:児玉昌己(久留米大学法学部教授)
演題:EU研究の魅力~多文化の尊重と統合への挑戦~
■第三回
11/7(金)16:00-18:00
講演者:西原和久(成城大学社会イノベーション学部教授)
演題:社会学の視点から多文化社会を問い直す~方法論的トランスナショナリズムの射程~
会場(各回共通)
長崎大学文教キャンパス 総合教育研究棟2階 多目的ホール
問い合わせ先:多文化社会学部総務班
電話 095-819-2934
詳細はこちらのポスターをご覧ください。
公開講座『世界の中の日本、日本の中の世界』のお知らせ
2014/09/15 トピックス
『世界の中の日本、日本の中の世界』―国境を超える文化、交わりあう社会―
わたしたちの社会は,国家の枠組みを越える文化と,国内に根づく伝統的な文化が交じりあうかたちで,生きる工夫として多様な文化を創造してきました。この公開講座では,長崎大学多文化社会学部の欧州・アジア出身の外国人講師4名が受講生のみなさんと一緒に議論し,「世界とつながる日本の文化と社会」への理解と関心を深めます。
ポスターはこちら (PDF形式,952KB)
・日時
平成26年10月4日,11日,18日,26日
(毎週土曜日 ただし最終日のみ日曜日)
受講料無料
時間:15:00~17:00
・場所:長崎大学文教キャンパス 多文化G-3A教室(グローバル教育・学生支援棟3階)
対象:高校生および一般
主催:長崎大学多文化社会学部
【講義内容】
第1回 10月4日(土)15:00~17:00「沖縄に見る内政と外交」
講師:コンペル ラドミール 多文化社会学部准教授(比較政治学) チェコスロヴァキア出身
沖縄は,政治史では独自の位置づけがなされています。長期間にわたり米国の統治下に置かれ,日本本土とは異なる戦後を歩んできました。戦後の沖縄の歴史を内政と外交から紐解きます。
第2回 10月11日(土)15:00~17:00 「国境を越えた宝塚歌劇と私」
講師:グラジディアン・マリア 多文化社会学部准教授(メディア文化論) ルーマニア・ブカレスト出身
日本文化,とくに宝塚歌劇の研究を通じた,西洋人としての体験をもとにお話します。宝塚歌劇の研究によって得られた充実した自由な発想について皆さんと共有したいと思います。
第3回 10月18日(土)15:00~17:00 「日本人と一体化した中華街は何故できたのか」
講師:王 維(わん うぇい) 多文化社会学部教授に平成26年10月着任予定(異文化交流論)。中国出身
日本には横浜,神戸,長崎 三つの中華街があります。中華街といいながら,日本人の観光客が多く,日本人を対象にした文化がたくさんあります。地域および日本人と一体化していることが,日本の三大中華街の特徴です。越境する,交じり合う文化について,中華街から考えてみたいと思います。
第4回 10月26日(日)15:00~17:00 「中国出身結婚移民から見る中国と日本」
講師:賽漢卓娜(さいはんじゅな) 多文化社会学部准教授(異文化と家族) 中国北京出身モンゴル民族
この20年ほど,アジアの女性が日本に多数嫁いできています。日本人とさほど外見に差のない中国人女性の結婚移民がとりわけ多い。彼女たちはどのような経緯で来日し,どのような問題を抱えながら生活者として地域で過ごしているのか ― 。女性結婚移民の目で中国と日本の社会を見ていきましょう。
【受講申込・問合せ先】
長崎大学文教地区事務部総務課 多文化社会学部総務班
電話 095-819-2934 FAX 095-819-2912
氏名・住所・年齢・職業・連絡先を明記してFAXでお申し込みください。
【交通アクセス】
<JR長崎駅(浦上駅)から>
路面電車 「長崎駅(浦上駅)前」→(赤迫行き)→「長崎大学前」下車
長崎バス 「長崎駅(浦上駅)前」→(1番系統「溝川」,「上床」,「上横尾」行き)→「長崎大学前」下車
平成26年度の短期留学の状況について
2014/08/09 トピックス
多文化社会学部では、短期留学、中期・長期留学および海外フィールドワークを実施し、さまざまな形で学生を海外に派遣します。
このたび平成26年度の短期留学の状況について、情報を更新しました。以下をご覧ください。
http://www.hss.nagasaki-u.ac.jp/oversea.html
平成26年度オープンキャンパスを開催しました
2014/08/04 トピックス
7月19日(土),平成26年度長崎大学オープンキャンパスが開催され,多文化社会学部の会場にも,長崎県内外から事前申込者数を超える約600名が参加しました。
当日は,まず「学部概要説明」が行われ,多文化社会学部のコンセプト,カリキュラム,入試等について説明し,引き続き,4班に分かれ「Trial Lesson(模擬授業)」を実施しました。「Trial Lesson」では,本学で実際に使用している「CALLシステム(コンピュータによる英語自学自習システム)」を使った英語の講義や,多文化社会学部の「グローバル社会コース」,「社会動態コース」,「共生文化コース」及び「オランダ特別コース」の講義がそれぞれ行われました。
また,「なんでも相談室」では,多文化社会学部の教員や在学生が相談者として対応し,多数の方が相談に訪れ,相談員に入試,カリキュラム,留学など熱心に質問していました。
その他にも,多文化社会学部の一期生である1年生が主催した「学部紹介」や「英語カフェ体験」が行われ,ゲームなどを行いながら盛り上がりました。
参加者からは,「おもしろかった」,「すごくよかった」等の感想を多数いただきました。
8月17日(日)には「移動オープンキャンパス(in福岡)」も開催されます。多数の参加者をお待ちしております。(「移動オープンキャンパス(in福岡)」の詳細については,http://www.nagasaki-u.ac.jp/nyugaku/open/index.html参照)
英語カフェ特別セッション
2014/07/17 トピックス
英語カフェでは不定期に外国人講師の方々をお招きし、英語で海外の国、大学や文化に関する講演をしていただいています。学生が海外の実情への認識を深める、貴重な機会になっています。
2014年6月27日(金)
米国アーカンソー州駐日事務所代表のニール・ジャンセン氏(Mr. Neal Jansen)をお迎えし、アーカンソー州及び同州の大学について、ご講演をいただきました。
2014年7月4日(金)
元ベリーズ大学講師で、現在長崎大学工学研究科博士後期課程に在籍しておられる、サントス・ダニエル・チカス氏(Mr. Santos Daniel Chicas)に、ラテンアメリカについてのプレゼンテーションを行っていただきました。5月に母国ベリーズについてプレゼンをいただいた際には、緊張し、少し萎縮していた学生もいましたが、今回は意欲的に議論・質問を行う姿が教室のあちこちで見られ、学生たちの成長を実感できる活発な英語カフェとなりました。
2014年7月11日(金)
英国アバディーン大学副学長のセス・クーニン教授(Professor Seth Kunin)をお迎えし、ご講演いただきました。人類学者でいらっしゃるクーニン教授には、アバディーン大学のご紹介だけでなく、長崎と縁の深いテーマでもある、隠れキリシタンに関する研究についても、興味深いご講義をいただきました。英語で専門性の高い議論に触れ、討議を行うというチャレンジに学生たちは積極的に挑み、刺激的かつ実り多い特別セッションとなりました。
2014年10月6日(月)
独ザールラント大学のゲオルク・ボルゲス教授(Prof. Dr. Georg Borges)をお迎えし、ご講演いただきました。ドイツ及びザールラント大学についてご紹介いただいた後、私たちの生活にも身近な情報通信・オンライン取引に関する法制度について、EUの取組みや日本の法制度にも多大な影響を与えてきたドイツ民法の解説も交えた、講義をしていただきました。初めての英語による法学の講義でしたが、学生たちは質疑応答で理解を深めようと努め、中長期留学に向けてのよい刺激となりました。